■ 「牛乳ピペット」について | |
【質問】
有効な情報を提供いただき, ありがとうございます。今回は“牛乳ピペット”について3つ質問させていただきます。 牛乳ピペットは乳等省令に記載されているガラス器具で, 一般的なメスピペットとはやや異なっています。しかし, 乳等省令には使用方法についての記載がないため, 使用方法を指導する際に確たるものがなく, 一般常識から説明するにとどめてる状況です。そのような中, 昭和35年発行の「食品衛生検査指針」にこのピペットについての記載があるのを見つけました。この記載をもとに, 以下の質問をさせていただきます。 (1) この記載では, ピペットの目盛ごとの容量を「20℃において排出される水の量」として示していますが, 目盛と水の量が一致していません。例えば1 mlは「1.075 ml」となっています。これはどのような理由によるものでしょうか (自分は, 試料液がピペットの壁面に付着するので, その量を考慮しているのではないかと理解しています)。 (2) 牛乳ピペット内の試料液を全量排出すると, 先の部分にいくらか残ります。これは吹き出してもよいのでしょうか。それとも, 残ったものは壁面に付着したものの集りと理解して, 吹き出さなくてもよいものでしょうか (吹き出しはコンタミ防止の面からも避けたほうがよいとは思いますが)。 (3) 1990年, 2004年発行の「食品衛生検査指針」には牛乳ピペットの記載がありません。しかし昭和35年版のこの記載は今も生きていると理解してよろしいでしょうか。 以上, よろしくお願い申し上げます。 【回答】
(2) 同書籍によりますと, 牛乳原液は最後の1滴は吹き出し, 希釈した牛乳はピペットの先をシャーレへ接触させるとあります。 (3) 牛乳ピペットは, 現在でも使われていると理解してください。菌数が少ない牛乳や粘稠度の高いクリームのようなものは11.0 mlのピペットを使用します。 (日水製薬・小高 秀正)
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