05/03/17
■ 変法TGC培地について
【質問】
 毎回勉強させていただいています。今回はよろしくお願い致します。初めてメールさせていただきます。私は飲料メーカーにて品質管理を担当しているものです。今回, “変法TGC培地”を用い検査することになったのですが, 疑問に思う点があり, こちらに質問させていただきました。

(1) この培地は液体培地のようなのですが, この培地で嫌気培養を行う場合, どのようにして行えばよいのでしょうか???

(2) また, 好気性菌・嫌気性菌ともに発育させることが可能なようなのですが, 発育した場合, どのような形状を示すのでしょうか???

以上2点, 初歩的な質問なのかもしれませんが, よろしくお願い致します。

【回答】
 変法TGC培地は, 調製後保存すると空気中の酸素が培地中に溶け込みますので偏性嫌気生菌の発育に適さなくなります。この時は, 沸騰水中で加温し, 冷却して使用してください。回答者が米国CDC, Anaerobic Labで研究をしていた時は, 使用する培地を一度嫌気状態または酸素を遮断した状態に置いてから培地を使用していました。

(1) 嫌気ジャ_に試験管立てを入れ, 嫌気培養 (市販のガス発生袋を用いると便利です) を行います。嫌気培養をした場合は, 偏性嫌気性菌や通性嫌気性菌は試験管の上層部や下層部に関係なく発育します。

(2) 変法TGC培地は, 通常の好気培養を行っても好気性菌から嫌気性菌まで幅広く発育させることができる培地です。好気状態で偏性嫌気性菌が発育するときは上層部に発育せず, 試験管下部に発育を認めます。通性嫌気性菌 (一般的に好気性菌と呼ばれています) では培地全体に発育を認め, 偏性好気性菌は上層部のみに発育を認めます。
 

(日水製薬・小高 秀正)

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