05/10/27
05/10/31
■ 標準菌株取得後の菌株番号の取り扱いについて
【質問】
 初めてご質問させて頂きます。民間の検査会社で食品の微生物検査を行っております。唐突ですが本題に入らせて頂きます。

 取得した菌株を, 内部精度管理用にたくさん小分けにして凍結保管しているのですが, 何代か継代培養を繰り返した後でも, 最初に入手したときの標準菌株番号を継代培養後の菌株に付けてもよいのでしょうか? または付けるべきなのでしょうか?? それとも標準菌株番号が有効なのは1代限りなのでしょうか??? 初歩的な質問かもしれませんが, 菌株保管のマニュアル作成にあたり, 非常に悩んでおりますので, ご回答何卒宜しくお願いいたします。

【回答】
 実際の検査現場では, (1) 何代か継代培養を繰り返した後でも, 入手した時の菌株番号を付けます, (2) 菌株の由来, 属性などを明確にするうえでも, なんらかの番号をつける必要があります, (3) 菌株番号の有効性, 有効期間などについては特に公式に定められたものはないと思います (一代で遺伝子変異が起これば, 当初の菌株番号は無効になるという意味で)。

 小分けして凍結保存されているということですが, 菌株を入手してから, どのように取り扱ったのか (特に継代歴), 正確で細かな記録を残すことが肝要です。今取り扱っている菌株の履歴がいつでも分かるようにしておくことです。なにか奇妙なこと (性状の変化など) が起こった時には, いつでも継代歴の浅い保存した菌株に戻れるようにしておくことです。それと検査室のなかで, 何代継代したら廃棄するといった規則を決めておくことも必要でしょう。菌株ではなく, 培養細胞を取り扱う施設ではそのような規則を定めています。

(琉球大学・山根 誠久)


【質問者からのお礼】
 稚拙な質問に対し, 懇切丁寧なご回答を頂き, 誠にありがとうございました。頂いたご回答を基に, 保管菌株の番号管理を行おうと思います。今後もご教授の程, よろしくお願い致します。


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