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【質問】
アイスクリームメーカーにて微生物の検査を担当しております。大腸菌群の検査法について質問させていただきます。
現在, アイスクリームの大腸菌群の検査方法は10 gramの検体を滅菌生理食塩水で10倍に希釈したものを日水デゾキシコレート寒天培地で混釈培養して検査し,
必要に応じて日水BGLB培地で検査をおこなっております。ユーザーに, アイスクリームの原液で,
デゾキシコレート寒天培地での“混釈培養”を行うように指示されたのですが,
(1) 原液で検査を行うことに問題はないのでしょうか???。またその結果, (2)
1個の大腸菌群のコロニーが検出され, 「陽性」という判断をされたのですが,
何検体か行った一部の検体が1 cfu/gramで「陽性」という判断になるのでしょうか???。信頼できるアイスクリームの大腸菌群の検査法を教えていただきたいと思います。宜しくお願いいたします。
【回答】
平成16年版食品衛生小六法の法令1-食品衛生 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の
(2) アイスクリ_ム類では,「検体を40度以下でなるべく短時間で全部融解させ,
その10 gを共栓ビンに採ったものに滅菌生理食塩水90 mlを加え10倍希釈したものを,
滅菌ペトリ-皿2枚に, 滅菌ピペットを用いてそれぞれ試料1 mlを正確に採る。デゾキシコレート寒天培地で混釈培養する(ここまでの操作時間は、20分間以内に完了しなけらばならない)。32〜35℃で20±2時間後,
暗赤色の集落を認めたものは, 推定試験陽性とし, 該当しないものは推定試験陰性とする。推定試験陽性の場合は,
代表的な集落をEMB培地で確認する。大腸菌群の定型的集落を2個以上釣菌し, 乳糖ブイヨン醗酵管及び寒天斜面に移植する。乳糖ブイヨンでガス産生が認められたら,
グラム染色をし, グラム陰性無芽胞桿菌を認めたら大腸菌群陽性とする。」と記載されています。以上の文言から,
(1) 原液での検査は乳等省令では記載されていません。(2) その菌が本当に大腸菌群であれば,
1検体でも陽性です。アイスクリ_ム類は加熱工程がありますので, 大腸菌群のようなグラム陰性桿菌が検出されたという時は,
二次汚染か技術的なエラ_が考えられます。最終製品は勿論のこと, 原料や製造工程のバイオバ_デンがわかっていれば,
最終製品から検出された菌がどこから来たかを推察することができます。
(日水製薬・小高 秀正)
【質問者からのお礼】
ご回答ありがとうございました。たいへん勉強になりました。今後もホームページで勉強させていただきます。今後ともよろしくお願いします。
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