■ IPM感性のS. maltophiliaとS. aureusのトキシン検査 | |
【質問】
大学病院の臨床検査技師です。ローテーションのため, 長い間細菌検査を離れていました。近年再び細菌検査を行うことになって, 以前と比べずいぶん細菌検査も変わり, 戸惑っているこの頃です。質問ですが: (1) S. maltophilia の感受性についてです。教科書では, IPM感受性株はないようですが, 実際に検査していると, 稀にIPMの感受性株が見られます。培養延長しても“S”となり, 同定が間違いない場合, IPM感受性株が稀に存在するのか, 実際表現型は感受性でも自然耐性菌のためすべて“R”とするものなのか教えてください。同様にABPC感受性のK. peumoniaeについても同様でしょうか。初歩的質問で申し訳ありません。 (2) もう一点は, 外来患者の便培養におけるS. aureusの検出についての質問です。当院ではS. aureusのトキシンの検査を行なっていません。したがって便の検査においてS. aureusが優位に検出されても, その意義が明らかでないため報告しないことになっています。これでよいのでしょうか??? 納得できません。 【回答】
(2) ブドウ球菌による食中毒は, 食品中で産生されたエンテロトキシン毒素の経口摂取により発症し, 吐気や嘔吐を主症状としますので, 患者便からの分離は困難と思われます。しかし外来患者で優位に検出された場合は意味があると考えられます。食材や患者の便から同一菌が分離された事例もあるようですので, 臨床側への報告は必要です。 (愛媛大学・宮本 仁志)
|