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【質問】
食品会社で衛生検査に従事している者です。「質問箱」で勉強させていただいております。
“一般生菌数の培養時間”について質問させて頂きます。食衛法では乳および乳製品,
アイスクリーム類, 氷菓の培養時間が48±3時間であるのに対し, 冷凍食品, 冷凍ゆでだこ,
生食用冷凍魚介類, 未殺菌液卵, 生食用カキは24時間±2時間となっております。この24時間の“ずれ”はどういった意味合いがあるのでしょうか???
食品衛生検査指針では48±3時間と決められており, また西欧諸国では48〜72時間の培養時間を推奨しているという記述がありました。日々の検査でも感じるのですが,
24時間培養だと判別しにくいコロニーがあるように思います。以上よろしくお願い致します。
【回答】
一つ一つの食材について, 規格基準が設定された経緯やその基準を検査する方法の確立の経緯について調査するのは至難の業です。24時間の“ずれ”の意味合いはわかりませんが,
大きく分けて48±3時間の培養検査をするものは, “子供が多く食し”, 24±2時間の培養検査をする食品は“大人が主たる消費者”と考えることができます。特に乳および乳製品は,
乳幼児が食しますから, 安全性が厳しく設定されています。日本食品衛生法に定められた規格基準は,
基本的にヒトへ危害を及ぼさない食品をどのように確保するかという安全性の側面と食品の経済的側面の両方から考え合わされて設けられていると考えられます。質問者の質問は正しく「レギュラトリー・サイエンス」に係わることです。レギュラトリー・サイエンスとは,「我々の身の回りの物質や現象について,
その成因と実態と影響とをより的確に知るための方法を編み出す科学であり, 次いでその成果を使って,
それぞれの有効性 (メリット) と安全性 (デメリット) を予測・評価し, 行政を通じて国民の健康に資する科学である」と定義づけられています
(国立医薬品食品衛生研究所のホームページ[http://www.nihs.go.jp/index-j.html]より)。
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