06/08/28
■ 乾燥茶葉のブドウ球菌検査
【質問】
 はじめまして。毎回勉強させていただいています。今回は, よろしくお願い致します。今回, 黄色ブドウ球菌の検査をすることになったのですが, 経験がないため, わからないことばかりです。ご指導よろしくお願い致します。培地は, 日水製薬さんのブドウ球菌培地を購入しています。

(1) 試料は“乾燥茶葉”なのですが, 規格値などはあるのでしょうか???
(2) 培地には「黄色もしくはレモン色色素を産生し・・」とありますが, どのような形状のものが培地に生育するのでしょうか???
(3) 検査を行う際に気をつける点などは何ですか???

ご回答よろしくお願い致します。

【回答】
(1) 缶やペットボトルに入ったお茶は食品衛生法の清涼飲料水に属します。清涼飲料水の製造基準では, 製造に使用する果実, 野菜などの原料は, 鮮度その他の品質が良子なものとなっています。

(2) ブドウ球菌培地はブドウ球菌培地No.110です。37℃, 48時間培養後の黄色ブドウ球菌は直径1.0_2.0 mm, 不透明, 中心がやや隆起したなめらかな集落を形成します。培地組成にマンニットが入っていますので, 0.04%のBTB溶液を滴下し, BTBの黄変を認めたらマンニット分解です。ゲラチン分解性は, 培地上に飽和硫酸アンモニウム液を流して約10分後に集落周囲の透明帯の形成により判定できます。

(3) 質問者は微生物検査に対する経験が浅いと思いますので, 無菌操作や検査法を今一度しっかりと上司や経験者に指導してもらってください。ブドウ球菌は健康な人の鼻前庭や咽頭から多く分離されています。ですから, 検査の途中で自分のブドウ球菌を検体へ混入 (コンタミネーション) させないような注意が必要です。

(日水製薬・小高 秀正)

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