■ 嫌気性菌の“E-test” 薬剤感受性試験 | |
【質問】
初めて質問させていただきます。約730床の総合病院で細菌検査に従事しております。嫌気性菌の薬剤感受性を“セプター”という日本ベクトン・ディッキンソンのMICパネルを用いて実施していました。そのパネルが発売中止となるのに伴い“E-テスト”に変更しようと考えています。実施菌株はバクテロイデスとプレボテラとクロストリジウムなどの発育のよい菌種について実施しています。 (1) “E-テスト”を嫌気性菌で試験する時に使用する培地について教えてください。なるべく安価なものを希望しています。 (2) また, 接種する菌液の調整を何を用いて行うべきでしょうか??? よろしくご教授下さい 【回答】
(1) NCCLSの勧告に準拠する場合は, ヒツジ溶血液5%, ビタミンK1 1μg/ml, ヘミン5μg/mlを添加したブルセラ血液寒天培地を使用します。 (2) 接種菌液の調製もNCCLSの勧告に準拠する場合は, 予備還元したブルセラブロスないし同等の嫌気性菌に適した透明度のあるブロスを使用します。接種菌液はMcFarland #1の濁度となるように調整します。なおClostridium difficileの場合にはMcFarland #3の濁度に調整します。 (3) 当社は測定培地の販売はしていませんので, 市販培地をご使用になる場合は培地メーカーとご相談のうえ, 適切な培地を選ばれることを勧めます。また, 測定方法を変更する場合は, 精度管理菌株を試験して, 変更前と変更後のデータを比較することを勧めます。 E testは濃度勾配法 (Drug concentration gradient agar)として米国医薬品食品局(FDA) から嫌気性菌の薬剤感受性テストとして承認を受けています。寒天希釈法に準拠しており, 幅広い菌種, 薬剤に対応します。NCCLSの嫌気性菌薬剤感受性試験方法のM11-A3 (1993年版) からM11-A6 (2004年版) の序文や本文 (勧告) に“濃度勾配法”として引用されています。 (アスカ純薬・朝倉 一榮) [戻る] |