06/04/21
■ 化粧品の微生物検査
【質問】
 化粧品の微生物検査をしているのですが, 石鹸などの固形物はどのようにして調製すればよろしいのでしょうか。何か決まりとかあるのでしょうか。化粧品全般で,検査値の決まりとかがあったら教えてください。とても基礎的な質問で申し訳ありませんが, よろしくお願いします。

【回答】
 日本化粧品工業連合会の技術資料No. 104の「化粧品微生物限度試験法」や「新訂版GMP微生物試験法 (講談社サイエンティフィク)」を参考に, 回答します。

 石鹸を滅菌ナイフなどで無菌的に削って10 gramを採取し, ポリソルベ_ト80のような界面活性剤を用いて希釈水に乳化させて100 mlとする。混和しにくい場合は, 滅菌ガラスビ_ズ加えて攪拌したり, 45℃以下の温度に加温すると乳化しやすい。加温する時は, 微生物が増殖して菌数が高くならないように, 30分間以内とする。その後, 10倍希釈し, SCDLP培地などで混釈培養する。日本では, 化粧品 (アイ製品) として生菌数1,000/gram以下, 病原性菌の検出を認めないなどの基準があります (厚生省薬監229号: 昭和47年9月7日)。米国の“The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association”から“Microbiology Guide Lines”が出版されていますので, 購入することをお勧めします。

(日水製薬・小高 秀正)


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