04/08/17
04/08/18
■ 菌量の表記方法について
【質問】
 菌量の表記方法について教えてください。論文などを拝見していますと, 個/ml,CFU/ml,log[CFU]で表記されているものがありました。一般的にはどのように表記するものなのでしょうか??? どうぞよろしくお願い申し上げます。

【回答】
 菌量 (濃度) の表記方法に, 一般的な方法はありません。使うヒトがそれぞれ, その意味と目的を正しく認識して選択しているのです (少なくとも, 私はそう信じています)。

 例えば, 質問のなかにある“個/ml”は, 例えば顕微鏡で観察して, 細菌を個数で計測した場合 (その細菌が生きているのか, 死滅しているのかは問題ではありません) に用います。CFU/mlは, colony forming units (CFU) の言葉通り, 寒天培地に形成された菌集落 (コロニー) の数で計測している訳ですから, 必ずしも細菌細胞の個数とは一致しないかもしれません (細菌の細胞が塊を作っているような場合には複数の細胞がひとつのコロニーを形成する訳ですから)・・・log10[CFU]を使うのは, 準備する表や図が, 見るヒトに理解し易いようにという作成者の意図です。質問者も, 2倍希釈とか, 10倍希釈で定量したような成績では, 片対数グラフにした方が分かりやすいという経験をしている筈です。一般的な, 言葉を変えれば, 常識的な方法を盲目的に学ぶのではなく, その方法が選ばれた理由を正しく理解することが大切だと考えます。

(琉球大学・山根 誠久)


【質問者からのお礼】
 メール拝受いたしました。臨床微生物迅速診断研究会より‘菌量の表記方法について’回答をいただきました者です。今後, 意味や理由を理解したうえで判断していくよう, 努力してまいります。ありがとうございました。


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