■ 抗酸菌塗沫に対する設備 | |
【質問】
小規模病院の細菌室に勤務しています。当院では一般培養検査は院内で, 結核菌検査は外注していますが, 緊急の抗酸菌塗抹だけは院内で行っています。マスクと手袋着用, 部屋の戸を開放にしなければ, “保健所の監査や病院機能評価, ISO9001審査を通過できる”ものと思っていますが, どうでしょうか??? やはり安全キャビネットやクリーンベンチは, 細菌室を続ける上で最低限必要なものでしょうか??? 教えてください。 【回答】
Q1: 微生物検査を実施するに当たり, マスクや手袋は必要でしょうか
Q2: 培地作成などの無菌操作にクリーンベンチを,
また検体処理や生菌操作時には安全キャビネットが必要でしょうか
Q3: 保健所の監査, ISO審査, 機能評価で合格するにはどうしたらよいでしょうか
どう判断しますか。臨床診断や推定により感染症の種類を絞り込むことができますし, そのような患者検体であれば取り扱いも注意することでしょう。しかし, どの検体にどんな微生物が潜んでいるかわからないので,「標準予防策: 患者の含水性体液由来物質はすべて感染性として取り扱う」を厳守するように啓蒙活動が行われています。その対策として, 患者に接する場合は手洗い, 手袋, マスク, エプロン, キャップ, ゴーグルを適宜使用しています。故に, 微生物検査室においても同様の基本的対応を講じ, 目的検査項目と範囲に沿った操作を行えばよいものと考えます。必要に応じ関係者会議 (例えば院内感染対策委員会や臨床検査適正化委員会) で決定してもよいでしょう。緊急抗酸菌塗抹検査のみの対応であれば, マスク, 手袋, ガウンを着用し, 周囲に飛散させないようにディスポの白金耳を利用し, 検査終了後の消毒をしっかりすることで, 注意深く行えば, 一般の実験台上でも十分作業が行えると私は考えます。 臨床からの依頼にはなるべく答えてあげて, まずは目の前の患者を救ってください。そして時機を見て設備の必要性を唱え, 安全性の充実を図ってください。既に同様の質問に対する回答のいくつかが, この「質問箱」にありますので参考にしてはいかがでしょうか。 (大手前病院・山中 喜代治)
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