■ 抗酸菌塗沫検査について | |
【質問】
私は50床程の病院に勤務する臨床検査技師です。当病院では検査技師二人で輸血・感染症・生理 (心電図・エコー・スパイロ・神経伝導速度)・尿検査などの検査を行っておりますが, 細菌検査はすべて外注です。医師から, “抗酸菌の塗沫鏡検の結果を出来る限り早く知りたい”ので, 院内でチール・ネルゼン法を行うことを検討するように言われました。しかし, 検査室内の一部が仕切ってあり, そこが休憩室となっている為, 看護師や薬剤師など, 人の出入りも多く, 結核疑いの検体を扱うには開放的過ぎるのではないかと思います。検査室は25m^2程度で, 生理検査以外の検査はすべてこの部屋で行っております。塗沫鏡検程度ならば細菌検査室は必要ないとはわかってはおりますが, このような環境で抗酸菌の塗沫鏡検検査を行うのは危険ではないのでしょうか??? 【回答】
医師が, 抗酸菌の塗沫検鏡の結果を早く知りたいから, 院内でチール・ネルゼン法を実施して欲しいというのは健全な姿勢です。検査室でこの種の検体を取り扱うことの“効果と危険性”を正しいバランス感覚で判断してください。何ごとにも絶対大丈夫, 絶対にダメということはないのです。病院としての明確な意志決定をすることです。そして, 生じた結果にも責任をもつことです。確信犯になることです。ただ文面では, 医師がやって欲しいと言っているのですから, ある程度の設備, 機器の要求はできるでしょう。受け入れられた要求のなかで, 最善の方法を模索してください。卓上型の箱でさえ, ないよりはましです。 (琉球大学・山根 誠久)
【質問者からのお礼】
先日, 抗酸菌塗抹検査についての質問を出したものです。ご丁寧な回答をして頂き, 大変感謝しております。実施できるよう, 施設面を検討していくようにいたします。ありがとうございました。 |