05/02/04
05/02/08
■ マンニット食塩培地の白いコロニー
【質問】
 食品の検査をしているものです。いつも拝見させていただいております。この度 調理員の手指をマンニット食塩培地を使用して, 37℃で36時間培養した結果, 培地上に大き目の白いコロニーが検出されました。通常の表皮ブドウ球菌より大きいものですが, 何が考えられるでしょうか??? 

 また, マンニット食塩培地に検出される可能性のある菌について教えてください。よろしくお願いします。

【回答】
 マンニット食塩培地は食塩耐性とマンニット分解能を利用したブドウ球菌分離用培地ですが, ブドウ球菌以外にも, ミクロコッカスやバチルスなども発育してきます。臨床細菌検査では35℃で一夜 (18〜20時間) 培養した培地でコロニーの観察が実施されています。培養温度と培養時間によってコロニーの大きさは影響されます。従って, 37℃で36時間培養した状態ではコロニーが通常より大きくなるのは当然と考えます。コロニー所見からの菌種の推定は困難な場合が多々ありますので, 検査の目的によっては簡単なグラム染色, カタラーゼ試験, コアグラーゼ試験などの確認試験の実施が望まれます。

(愛媛大学・村上 忍)
【質問者からのお礼】
 大変わかりやすいご回答ありがとうございました。コロニーだけでは菌種は判断しにくいのですね。早速, 確認試験を実施してみたいと思います。

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