04/09/21
■ 滅菌バッグの細菌検査について
【質問】
 現在, 手術器具などの滅菌バッグの管理はtime-relatedにかわりevent-relatedが主流となりつつあります。そこで当院でも, 当院独自の基準を設けるべく, 滅菌バッグの保存場所, 条件などによって, その滅菌バックの中がどの時点で無菌でなくなるかということを証明することになりました。そのためには色々な条件下での滅菌バッグの中の細菌検査が必要となりますが, 具体的にどのような手法 (培地, 検体採取方法など) で証明していけば良いかご教授ください。

【回答】
 被滅菌物の無菌性の確認法としては, 日本薬局方の無菌試験法があります。使用培地は, 無菌試験用チオグリコール酸培地とソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地です。試験方法の概要は, 滅菌した上記培地に被滅菌物を無菌的に接種します。試験用チオグリコール酸培地は30〜35℃で, ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地は20〜25℃で培養します。定期的に観察し, 14日間以上培養します。培地の濁りで微生物の有無を確認します。被滅菌物が大きい場合にはリンス液にて洗浄し, この液をメンブランフィルターにてろ過し, フィルターを上記培地にて培養します。

〔参考文献〕
日本薬局方解説書編集委員会編: 第十四改正日本薬局方−条文と注釈−, 廣川書店,東京, 2001

(栄研器材・柳沼 健史)


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