05/12/28
■ MRCNSとMSCNS
【質問】
 MRCNSは“メチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌”ということで理解していますが, MSCNSはどういう菌名ですか??? また, それぞれが, どこの部位に多く存在しているのかなど, それぞれの菌の特徴を教えていただけますか。通過菌なのかとか, 常在菌なのかとか。勉強不足ですみませんが, よろしくお願いします。

【回答】
 謎解きのような質問です。〔MRCNS〕−〔MSCNS〕=〔R〕−〔S〕。〔R〕は耐性 (resistant) の頭文字で, 〔S〕は感性 (susceptibleあるいはsensitive) の頭文字です。とすると, MSCNSは“メチシリン感性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌”となります。MSCNSも, MRCNSも, コアグラーゼ陰性ブドウ球菌 (概ね, 黄色ブドウ球菌以外のブドウ球菌と理解しても可) ですので, 存在する部位に違いもありませんし, 通過菌とか, 常在菌とかいった点についても両者に違いはありません。単にメチシリンという薬剤に耐性なのか, 感性なのかという違いです。まず, コアグラーゼ陰性ブドウ球菌の一般的な知識を習得してください。

 アメリカの真似をしてか, 最近やたらとアルファベットを羅列した略語が目立ちます。本人はカッコ良いと思っているのかもしれませんが, 周りのヒトはまったく理解できず, 困ったことです・・・時に本人も略語の意味が理解できなかったり, フル・スペルを知らなかったり, 恥ずかしくないのでしょうか???

(琉球大学・山根 誠久)


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