06/01/10
■ 日本薬局方とSCD培地の組成について
【質問】
 はじめまして。製薬メーカーにて申請資料用の品質データ取得を業務としています。医薬品の「無菌試験法」について,確認したいことがあり, 質問いたします。

 先ごろ,第14改正日本薬局方 第二追補が出され,無菌試験法の試験内容が大きく変わったことはご存知かと思います。その中のソイビーンカゼインダイジェスト培地の組成ですが,14局では,「ブドウ糖 2.5 g」と記載されていたものが,第二追補では「ブドウ糖 2.3 g 又はブドウ糖一水和物 2.5 g」 と変更されています。14局解説書では,「性能に影響はないので,一水和物と同じく2.5 gとしている」とありますが,第二追補で,それぞれの含量について,はっきり記載されたため,信頼性基準の観点から,これまでの培地を使用してよいのか否かどうか悩んでいます。この後,第二追補に合わせた組成変更の予定はあるのでしょうか??? 細かいことを質問して申し訳ございませんが,よろしくお願いいたします。

【回答】
 第二追補では, ソイビーンカゼインダイジェスト培地だけでなく, TGC培地I, IIについても,「ブドウ糖無水物として5.0 g, 一水和物として5.5 g」と記載されています。TGC培地I, IIについては, 以前は「ブドウ糖無水物として5.0 g」と記載されており, また, USP (米国薬局方), EP (欧州薬局方) ではすべて一水和物で標記 (2.5 および5.5 g) されています。これら, 記載上の不統一性を日局第15改正を前に, 日局全般の記載の整合性と国際的整合性をあわせるために, 今回の第二追補版で上記の変更になったものと思います。

 性能的には「ブドウ糖 2.3 g またはブドウ糖一水和物 2.5 g」(第二追補) どちらでも変わらないことは, 14局解説書に記載されているとおりです。一方, “ブドウ糖 2.5 g”と記載された従来の培地の扱いについて (日局収載培地としてよいかどうか) は, 一般培地組成について水和物の有無まで詳細に記載しているケースは多くなく, 製造メーカーに直接確認することをお勧めします。現時点では, ほとんどの製造メーカーで「Dextrose 2.5 g」あるいは「ブドウ糖 2.5 g」とだけ記載されています。

(日水製薬・三品 正俊)


戻る