04/12/17
04/12/20
■ 菌濃度の計算があわない!!!
【質問】
 飲料メーカーにて微生物の検査を担当しております。食品微生物検査の結果の記載方法について質問があります。

ユーザーなどへ成績書を出す際, “5 gramの検体を採取し, 45 mlの希釈水で希釈し, この調整した試料から1 mlをシャーレに撒いて検査をした時の結果が ゼロ(何も発育しなかった)”であった場合, 弊社では10 cfu/g未満として成績書をだしております。しかし, いくつかの食品検査の手順書には, 上記の検査操作をした時の結果が“ゼロ”であった場合, 一般生菌数では「300 cfu/g以下」カビ・酵母数では「100 cfu/g以下」と記載することとの指示がだされています。某分析センターの成績書にも, 一般生菌数の検査結果が“ゼロ”であった場合, 「30 cfu/g以下」や「300 cfu/g以下」と記載されております。何故, 食品の検査結果ではこのような表記をするようになっているのでしょうか。よろしくお願い致します。

【回答】
 細菌数は30_300 CFU/平板, カビ・酵母は10_100 CFU/平板の平板を計測することが望ましい。例えば, 細菌では全平板が30 CFU未満の場合は, 最も低い希釈倍数に30を乗じて, 試料原液 (10倍希釈) では300以下として記載する(2004食品衛生検査指針)。カビ・酵母は同様に100以下として記載すると考えられます。細菌では, 1平板で30 CFU未満の菌数は“ばらつき”が大きいため, たとえ0 (ゼロ) CFUでも信頼できる数字の最低である30 CFUを用いると解釈できます。

 回答者が考えるには, 質問者の検査結果の出し方も間違いではないと思います。追加ですが, 菌数測定にはサンプル量や希釈液が影響しますので, なるべく自社のやり方ではなく, 「公定法」に従って検査することをお勧めします

(日水製薬・小高 秀正)
【質問者からのお礼】
 本日回答を受け取りました。丁寧な回答を頂き, お礼申し上げます。今後も貴ホームページにて勉強させて頂きます。ありがとうございました。

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