06/08/03
■ 乳酸菌コロニーの判定
【質問】
 いつも勉強させていただいております。宜しく御願い致します。私は, ●●で品質管理をしています。

 自主検査で, 輸入品のサラミの乳酸菌を検査しているのですが, その際に用いているBCP培地の判定に頭を悩ましています。本によれば, 白くて小さく, 周辺を黄変させれば“乳酸菌”と判定するとあります。実際には, 白くて小さく, なおかつ周辺を黄変させ, 市販の消毒液 (過酸化水素水) を添加して泡が出なければ“乳酸菌”と判定しています。しかし, 大きな白色や黄色コロニーで培地を黄変させるものや, 黄変させないものもあったりと・・・この場合, 培地が黄変していて, カタラーゼ「陰性」であれば“乳酸菌”と判断してよいでしょうか??? また, BCP培地は乳製品に適しているとのことですが, “食肉の乳酸菌”を測定するのに適している培地などありますでしょうか??? 宜しく御願い致します。

【回答】
 カタラ_ゼ試験だけではなく, “グラム染色を併用”することを勧めます。グラム陽性の球菌または桿菌で, カタラーゼ「陰性」であれば“乳酸菌”と判断してよいと思います。“食肉の乳酸菌”ということですが, 貯蔵用に加工された肉の乳酸菌測定用培地としては, “APT agar”がAmerican Public Health Associationによって推奨されています。この培地はDIFCOから購入できます。BCP加プレ_トカウント寒天培地を使用して“サラミ”の検査をした時の経験ですと, サラミ中の乳酸菌は非常に多く, それに対してその他の微生物が少ないため, 高い希釈倍数で確認できる小さな黄色いコロニ_はほとんどが乳酸菌でした。

(日水製薬・小高 秀正)


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