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【質問】
私は食品メーカーに勤務しており, 品質管理部門で細菌検査を行っている者です。
製品中の乳酸菌数を検査するために, BCP加プレートカウント寒天培地 (栄研器材)
を使用しているのですが, BCPの変色域であるpH 5.6〜7.2よりも低いpHの液体調味料
(食酢やみりんなど) であっても検査することは可能なのでしょうか??? もし検査方法として他に適した方法
(測定試料の調製方法・使用量, または他に検査に適した培地があればそれでもかまいません)
があれば教えていただけると助かります。よろしくお願いします。
【回答】
食酢 (pH約2.5) やみりん (pH約5.0) などのpHの低い試料を, 希釈やpHの調整をせずに,
発酵乳および乳酸菌飲料と同様に検査を行うと, BCPプレートカウント寒天培地は,
pH低下により培地色が黄色〜灰色に変色します。本培地では, 集落の周りの培地pHが低下することにより,
培地が黄色く変化して乳酸菌と他の菌とを鑑別している訳ですが, 試料の直接の影響により培地の色の変化による鑑別がし難くなる,
または鑑別出来なくなります。この対策として, 試料の接種前のpH調整や希釈をして培地への影響を少なくしてみてはいかがでしょうか。また少量の菌を検出するのであればメンブランフィルターを用いるのも一考かと思います。培地については,
ラクトバシラスであればMRS寒天培地, 栄養要求性の高い菌であればBL寒天培地などを一緒に用いた方がよろしいと考えます。
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