05/08/12
05/08/18
■ 乳糖ブイヨン培地の判定
【質問】
 はじめまして。メールさせていただきます。

 乳糖ブイヨン培地が黄変しないのに, “ガスが発生”しました。この時の判定はどのようになりますか??? また, 何故このようなことが起こるのでしょうか??? (LBに培養後46時間位まではガスは認められませんでしたが, 48時間近くになってガスが出ていました)。よろしくお願いします。

【回答】
 乳糖ブイヨン培地に接種したもの (検体or菌) が不明です。食品からの大腸菌群の検査手順は通常, 推定試験, 確定試験, 完全試験の順で行われ, 乳糖ブイヨンは“完全試験”の時に使われます。この目的は, 勿論「乳糖からの酸とガスの産生を見るためです」。そして, 上記の各段階の試験では, 乳糖を分解する菌が選別されて来ます。質問者が, “完全試験”での反応のことを質問しているのであれば, 判定としては“大腸菌群に属さない菌である可能性が大”です。乳糖ブイヨンは非選択増菌培地ですから, グラム陰性・陽性を問わず発育してきます。さらに乳糖ブイヨンにおいてガスだけを産生し, 酸を確認できない理由としては, 乳糖の分解が遅いか弱い菌を接種したためと考えられます。このような時には, その乳糖ブイヨンから再度大腸菌群選択培地へ1白金耳を画線塗抹し, 大腸菌群の有無を確認してください。さらに大腸菌群と思われるコロニーが出現してきたら, 非選択培地で純培養した後, 新しい乳糖ブイヨンへの接種, グラム染色, IMViC試験をして下さい。

(日水製薬・小高 秀正)


【質問者からのお礼】
 大変丁寧な回答をありがとうございました。さっそく参考にさせていただきます。なお, 説明不足でした点を追加させていもらいます。
  (1) LBに接種するするのは食品の検体です。
  (2) LBは完全試験として用いています。
 今回のような, 判定に困る検体が時々あったのですが, 先生からの回答をいただき, すっきりしました。ありがとうございました。


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