06/03/15
■ PCR検体の保存方法について
【質問】
 PCR法で, 結核菌の遺伝子検査を行なっています。質問です・・・喀痰などの検査材料の採取後の保存方法なのですが, 遺伝子専用検体と考えた上で, “冷蔵でどのくらい保存可能”なのでしょうか??? また, 保存方法についての良い文献などありますでしょうか??? 基本的な質問ですが, よろしくお願いいたします。

【回答】
 基本的に検体は採取後冷蔵で保存し, 出来る限り早くNALC-NaOH処理を行います。ご存知のように喀痰などの検体中には多くの雑菌が存在し, これらが繁殖することにより検体を劣化させる可能性があります。当日中にNALC-NaOH処理が出来ない場合には, ?80℃以下で凍結保存することをお勧めします。ただし, 検体を培養検査と共用している場合には, 抗酸菌が死滅しないように冷蔵保存となります。この場合は滅菌容器にて2〜8℃, 24時間保存可能です。NALC-NaOH処理後, 直ちに核酸抽出を行わない場合は?80℃以下で8ヶ月まで保存できます。なお, 保存方法に関する文献を探しましたが, 適切なものは見つかりませんでした。ただし, 参考文献としてはA. Rolfs et al 著, 加藤郁之進 監訳 「ラボマニュアルPCR−研究と臨床診断への応用?」(丸善, 東京) 第6章 PCRに使用できる生物試料 (p 83〜) をお勧めします。

(ロシュ・ダイアグノスティックス・林 邦彦)


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