■ 緑膿菌でのIPMとセフェムの誘導耐性 | |
【質問】
私, 350床ほどの病院に勤務しております検査技師です。緑膿菌の誘導耐性について御教授下さい。 BBLのディスクを用い, NCCLSの判定基準にそって感受性を行っていますが, 時々, 緑膿菌でIPMとセフェム (特にCTX) で誘導耐性を見かけます。IPMはβ-ラクタマーゼを誘導し易いと読んだ記憶がありますが, 何故でしょうか??? その文献には理由が載っていませんでした。 また緑膿菌の薬剤感受性試験を行う上で, β-ラクタム剤はIPMの近くに配置するべきなのでしょうか??? また誘導耐性が見られる場合の判定は耐性 (R) としてよいのでしょうか??? 薬剤感受性の判定が, 試験する薬剤の配置で変わってくるとなると, 今後どのように検査を進めてよいのか分からなくなってしまいます。参考文献などがありましたら, 併せて御紹介頂けると幸いです。不躾な感じがおありかもしれませんが, よろしくお願いします。 【回答】
(日本ベクトン・ディッキンソン・武沢 敏行) 【回答への追加】
We have just isolated a strain of Pseudomonas aeruginosa resistant to meropenem. By disk diffusion we observe a blunting effect with cefepime and piperacillin-tazobactam disks neighboring the meropenem disk. Is the mechanism derepression of some beta lactamase and how should we report sensitivities to beta lactam antibiotics? (meropenem耐性の緑膿菌を分離しました。ディスク法でmeropenemの傍にcefepimeとpiperacillin-tazobactamを置いたところ, blunting effect・・・効き目がなくなる効果が観察されました・・・) これに対して, 様々な見解が提供されています。 ・It could be an inducible carbapenemase class A or D, or a strain with OprD(-) and hyperexpression of MexAB-OprM. ・It could be due to metallobetalactamases. ・It is a classic AmpC. Carbapenems are strong inducers of these enzymes, but are not hydrolyzed by them. ・・・・Anyway, almost 90% of our P. aeruginosa show antagonism effect between carbapenems and other beta-lactames (especially 3rd gen Cephs), but we do not edit the results. ・All P. aeruginosa are uniformly AmpC positive, Meropenem being an excellent inducer of the enzymes, hence the blunting effect. どうも, “AmpC説”が有力で, 議論に参加したほぼ全員が最終的に納得したようです。 (琉球大学・山根 誠久) お忙しい中, ご回答下さったことに大変感謝いたしております。自ら勉強不足を恥じる気持ちもありますが, このウェブでは質問させて頂くチャンスを与えて下さるので本当に有難く思います。今後も是非, 先生方のお力をお貸し願えることを切に希望致しております。有難うございました。 |