|
【質問】
最近, 一般に行われている細菌染色用スライドグラスの準備について教えてください。膿汁などの検査材料を直接スライドグラス上に塗沫,
染色して観察したい。この時に用いるスライドグラスは, かつては水洗, 2%塩酸加エチールアルコールで清拭,
さらにエーテル・アルコールで拭い, 火炎内で加熱させ, 自然冷却をしたものを用いていました
(40年前の話ですが)。今は, そんなことをしなくても, 直ぐ使えるスライドグラスが販売されているでしょうか。
【回答】
おっしゃるとおり, 現在は優秀なスライドグラスが市販されています。私もかつてはエーテル・アルコール処理やクロム硫酸処理のスライドグラスを使っていました。当時は粗雑製品が多く,
また再生して使用していたため, 材料の付着度合いが悪かったことから, 十分な洗浄操作が必要であったと記憶しています。現在では,
スライドグラスの種類も目的に応じて作られており, 特殊洗浄を施してクリーン状態を保ったスライドグラスの供給が基本になっています。また材料の剥離防止を目的に,
ポリ-L-リジンやアミノシランそしてMASコート (MATSUNAMI) 加工製品も市販されています。これらの剥離防止作用は,
ガラス表面を正電荷状態にすることで, 材料中の細胞表面に存在する負の荷電状態にある糖蛋白質シアル酸を接着固定しやすくすることにあります。スライドグラス製造元の各社が優秀な製品を供給しておりますので,
価格の問題を含め, 検討されてはいかがでしょうか。
【質問者からのお礼】
この度は大変お手数をおかけしました。顕微鏡用スライドグラスのことについて,
諸々よく分かりました。早速購入について検討します。今後ともご指導の程よろしくお願いします。取り敢えずお礼まで。失礼します。
|戻る|
|