05/01/28
05/02/01
■ 食塩電気分解水の効果について
【質問】
 はじめまして。歯科医師です。質問させていただきます。知人の歯科医師で, 器具の消毒に“食塩電気分解水 (中性水と呼んでいます)”を使用しておりますが, その効果について教えてください。ウィルスを含む, すべての微生物に効果があるとのことで, 一次洗浄した後に10分間浸漬するという使い方をしておりますが, 実際の消毒レベルはいかほどのものなのでしょうか??? 滅菌されているいるとはとても思えないのですが。よろしくお願い致します。

【回答】
 食塩水を中性付近で電気分解することにより, 次亜塩素酸ナトリウムよりはるかに殺菌効果の高い次亜塩素酸 (HOCl) や陽極側で発生すると思われる“スーパーオキシドイオン”を含む殺菌水を調製することができます。これがいわゆるBK (bacterio killer) 水です。BK水は種々の報告にあるとおり, MRSAをはじめとする病原微生物に対し殺菌作用をもちますが, 消毒剤の一般的な問題である有機物の混入によりその効力の低下も認められています。よって, 一次洗浄した後に, 適切な濃度, 浸漬時間を守れば有効な消毒方法だと思われます。また, pHが中性付近であるため, 金属製品への腐食性も低く, 幅広い医療器具の消毒に使用できると考えられます。消毒剤のレベルとしては, 強酸性電解水と同じ「中水準消毒薬」に分類されるのではないでしょうか。

(琉球大学・糸嶺 達)


【質問者からのお礼】
 忙しい中, 御回答して頂きありがとうございます。教えていただいたことを参考にして, 当院の感染予防対策に役立てたいと思います。


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