05/12/13
■ 食品衛生法とJIS法での分析
【質問】
 お世話になります。大腸菌群の分析において食品衛生法の分析では0 (ゼロ) 個。他方, JIS法では3,000個という結果が出ました。ただし, サンプリング日時は一週間ほど違います。この現場では通常, 食品衛生法ではまったく出ないのですが, JIS法だと時々出ます。なぜ違いがあるのでしょうか???

宜しくお願い申し上げます。

【回答】
 検体が不明です。ですから, 質問者が何故, 二種類の方法で大腸菌群の検査をしているのかが理解できません。食品衛生法の大腸菌群試験は食品衛生小六法 第1 食品の部のC 食品一般の保存基準の項の1 の(2) 大腸菌群試験法 (推定試験: BTB加乳糖ブイヨン→確定試験: 遠藤培地, EMB培地, BGLB培地→完全試験: 遠藤培地, EMB培地, 同定)によって行われます。基本は“MPN法”です。一方, JIS K 0350-20-10: 2001 用水・排水中の大腸菌群試験方法にはメンブレンろ過法, 平板培地法 (デオキシコ_ル酸塩寒天培地), MPN法 (BGLB培地) が記載されています。また, JIS K 0430-72-30: 2000 水質-大腸菌群, 耐高温性大腸菌群及び推定大腸菌 (Escherichia coli) の検出・計数-第1部メンブレンろ過法や, JIS K 0430-72-40: 2000 水質-大腸菌群, 耐高温性大腸菌群及び推定大腸菌 (Escherichia coli) の検出・計数-第2部最確数 (MPN) 法があります。以上のように, もしMPN法 (両方法共通で検体が同一) を用いて食品衛生法で大腸菌群が検出されず, JIS法で大腸菌群が検出されたとするならば“実験手技や試験方法の誤り”が考えられます。今一度, 試験方法 菌数算出法を含む) を再確認してください。

(日水製薬・小高 秀正)


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