04/09/09
■ 食品管理で使う培地の調製方法
【質問】
 食品会社の品質管理部に就職しました。ふたつ質問があります。

(1) 黄色ブドウ球菌の検査で, 卵黄加マンニット食塩培地を使っているのですが, マンニット食塩培地を溶かし, その後で卵黄液を添加しています。どうして卵黄液は卵黄のまま入れてはいけないのでしょうか??? また, 卵黄加マンニット食塩培地の粉末培地はないのでしょうか??? (生培地しかないのでしょうか???) 玉子のきちんとした消毒の仕方も教えてください。

(2) デスオキシコレート培地など, 湯煎で溶かす培地を溶かす際の注意点を教えてください (たまに溶かしたつもりが, どろどろになってしまいます)。

 これから勉強していくので, 基本的なことをご指導よろしくお願いします。

【回答】
質問の(1)-1 どうして卵黄液は卵黄のまま入れてはいけないのでしょうか??? 
 卵黄のまま培地に加えると, 培地中で卵黄が均一にならないためです。

質問の(1)-2 卵黄加マンニット食塩培地の粉末培地はないのでしょうか??? 
 粉末培地はありません。卵黄はタンパク質なので, 培地調製時に培地を加熱すると卵黄が熱変性を起こします。

質問の(1)-3 玉子のきちんとした消毒の仕方も教えてください。
 70%アルコールに30分間ぐらい浸漬しておけば, 卵表面の菌は概ね消毒できます。

質問の(2) デスオキシコレート培地など, 湯煎で溶かす培地を溶かす際の注意点を教えてください。
 湯煎で溶かす場合は, 培地を時々取りだし, フラスコを静かに回し, さらさらになったら寒天が溶けた目安です。また, その攪拌時にガラス壁面に小さな粒 (寒天粒子) がついていたら寒天が溶けていないことになります。500 ml ぐらいの培地であれば, 加温溶解時間は沸騰して20分〜30分間ぐらいでです。

(日水製薬・小高 秀正)

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