06/01/10
06/01/16
■ 食品検査の進め方について
【質問】
 私は, ▲▼県△▽市内の検査センターに勤務しているものです。来年から, 食品検査部門を立ち上げることとなり, 現在は, 器材, 培地などの見積もりをとっている段階です。今回お聞きしたいことは, “大腸菌群の検査法”についてお聞きしたく, メールいたしました。

 食品の大腸菌群数の算定をする場合, 食品の種類に関わらずデスオキシコレート培地で検査を進めて良いのでしょうか (BGLB発酵管で最確数を求める方法もありますが)??? また, デスオキシコレート培地に発育したコロニーを数えた後, EMB培地での確定試験, その後の完全試験は乳糖ブイヨン発酵管でのガスの発生か, 寒天斜面に移植しグラム染色での鏡検という流れで良いのでしょうか??? 初歩的な質問ですみません。お忙しいとは存じますが, 回答をよろしくお願い申し上げます。

【回答】
 食品には, 固体や液体, いろいろなものがあります。検査に当たり, 食品の分類が違えば, 検査方法も違うということを認識してください。そのためには, 質問者が取り扱う食品に関する大腸菌群検査がどのように法律で定められているかを, 最新版の食品衛生小六法で確認することをお勧めします。非常に一般的な回答になりますが, 固体の大腸菌群については, 食品衛生小六法の食品, 添加物の規格基準1 食品の部D 各条の項の○ 冷凍食品の1 冷凍食品の成分規格の(1)の1.に準じて調製した試料原液を試料とし, 同項の○ 氷菓の1 氷菓の成分規格の(3)の3.に準じて行います。液体の大腸菌群試験は, 法令1 食品の部のC 食品一般の保存基準の項の1の(2) 大腸菌群試験法に準じて行います。乳及び乳製品については, 法令1 食品衛生 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の内容に従って行います。詳細を記載するには内容が多すぎますので食品衛生小六法を参考にして下さい。質問者の質問に「完全試験は乳糖ブイヨン発酵管でのガスの発生か, 寒天斜面に移植しグラム染色での鏡検」とありますが, 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の中に大腸菌群とは「グラム陰性, 無芽胞性の桿菌で乳糖を分解してガスを発生するすべての好気性及び通性嫌気性の細菌をいう」と記載されていますので, 乳糖ブイヨン発酵管試験とグラム染色の両方を行う必要があります (乳糖ブイヨンには, BTBを含むものと含まないものがあります)。検査センタ_ということなので, 試験成績書を発行するのが業務になるかと思いますが, 試験方法 (試料の調製から結果判定まで) は検査員の教育 (知識・技術) を含め慎重に行ってください。

(日水製薬・小高 秀正)


【質問者からのお礼】
 私は現在, ホームページ上に掲載されています『食品の進め方』について質問したものです。この度は『食品の進め方』の御回答をいただきありがとうございました。最新の食品衛生小六法で検体に対する検査法を確認したいと思います。これからも検査をする上で不明な点がでてくると思いますので, よろしくお願いします。


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