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【質問】
院内感染対策委員会にて, 外来採血室で採血を行なった後に止血の為に貼られた酒精綿やガーゼは,
次の検査や診察のため, 採血室の“感染性廃棄物用容器”に捨てられることはなく,
廊下の通常の燃えるゴミ箱や燃えないゴミ箱, ペットボトルといった分別に入れられたり,
廊下に捨てられたりしている。委員会としてはサービス向上委員会とも話し合い,
最終的には“燃えるゴミ扱い”として, 「ゴミ箱に採血後の止血に使用した酒精綿やガーゼを捨ててください」としたが,
医療監査では問題あるだろうとのこと・・・では“感染性医療廃棄物”として廊下に置こうとすれば,
感染性医療廃棄物は廊下などに出してはならないとされているとのこと・・・どうしたらよいかがわかりません。患者さんが貼り付けたまま,
家に帰って剥がせば燃えるゴミですが, まさかそこまで貼っていてくださいとは言えません。採血後の酒精綿やガーゼは何扱いでしょうか???
宜しくお願い致します。
【回答】
随分, ややこしい時代になったものです。質問者が指摘されるように, 血液の付着した酒精綿は,
一般家庭では“燃えるゴミ”扱い。ところが病院では“感染性医療廃棄物”となります。病院環境では,
血液の付着したものを一般のゴミ箱に捨てていると, 確実に, 医療監査でも, 病院評価でも問題として指摘されると思います。採血後の酒精綿やガーゼは“感染性医療廃棄物”として取り扱うのが賢明だと考えます。
私の検査室での採血では, 採血した後, 酒精綿でしっかり押え, ほぼ止血したことを確認してから穿刺部被覆保護材
(絆創膏) を貼って患者さんを帰します。その時, 「絆創膏は帰ってから剥がしてください」と伝えます。抗凝固剤などを使用している患者さんで,
なかなか止血できない場合が例外的に問題となりますが, その時には, 患者さん,
または付き添いの方に「血液の付着した酒精綿は看護師さんに手渡してください」と注意を喚起しています。
(琉球大学・山根 誠久)
【質問者からのお礼】
ご回答有難うございました。この問題は, 患者さんにも真面目な方が多くいらっしゃいまして,
採血後に押さえておいた酒精綿を専用に捨てるゴミ箱がなく, 困っていることを院内サービス向上委員会が見つけ提案されたものでした。その後,
感染対策委員会 (ICT) にかけたところ, やはり感染性医療廃棄物として処理してくださいとなりましたが,
セーフティーマネージメント小委員会では, 感染性医療廃棄物を無造作に廊下に設置することは避けるようになり,
患者さんの目の届かないところに置くようになってしまいました (まったく意味がない)。入院外来採血はすべて臨床検査科が行っており,
特に外来採血室はやや大きめに作りましたが, 1日600名程度の採血を行っており,
その場で2〜3分座っていていただく方式が取れていません。また, 外来が混んでいることもあり,
「血が止まるまで後ろの座席でお待ちください」と声をかけるのですが, 早く次に行きたいのか,
どんどん行ってしまっているのが現状です。そこで, “足ふみペダルのゴミ箱”に感染性廃棄物のマークを貼付し,
“採血後などの血液などのついたガーゼや酒精綿を捨ててください”の看板をつけて置くことにしました。機能評価的には感染性廃棄物は廊下に置かれることに関しては駄目と言われてしまうのでしょうが,
我々の考えでは, このような対応を行わなければ, 通常の燃えるゴミや燃えないゴミ,
ペットボトル用ゴミ箱に捨てられたり, 廊下に捨てられるより清潔であるということにしようと考えております。開始して1週間になりますが,
7〜8割は専用ゴミ箱に捨ててくださっております。有難うございました。
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