05/01/31
■ 黄色ブドウ球菌用選択分離培地の性能試験について
【質問】
 初めてメールさせて頂きます。いつも解りやすい回答をありがとうございます。業務に参照させて頂いています。弊社における標題の質問事項を下記に記しますのでよろしくお願いします。

 弊社にてフォーゲルジョンソン寒天培地 (日本製薬) を調製していますが, 対象菌への抑制を考慮し, 添加する亜テルル酸の量を半量にして調製しています。調製済みの培地は, 局方に従い S. aureusを10〜200 cfu/ml接種し, 性能試験を実施しています。弊社保存菌株における抑制があるのかもしれませんが, コントロールの菌数に10のオーダーで差が出てしまい (毎回ではありませんが) 規格に適合しないときがあります。調製方法に異常は認められず, 製造元の成績書にも異常は認められません。どのような対処法がありますでしょうか??? 本培地に関する情報をお持ちでしたら, ご紹介くださいますようお願いします。

【回答】
 再度, 第十四改正日本薬局方解説書 「生薬の微生物限度試験」をご確認ください。「試料10 g又は10 mlを量り, SCD培地または抗菌性物質を含まない適当な培地90 mlを加え, 30_35℃, 24_48時間培養する。培養後, 1 mlを9 mlの7.5%NaCl加SCD培地に加え, 30_35℃, 24_48時間培養する。増殖が見られた場合は, 培養液から1白金耳をフォーゲルジョンソン寒天培地などに画線する。培地の性能試験には, 10^3 CFU/mlに調製したS. aureusを用いて, 試料の存在下, 非存在下において, 培地の有効性及び抗菌性物質の存在などを試験する」。質問者の会社組織内の培地に対する規格はわかりませんが, 一般に選択培地の結果は, 非選択培地より, 菌数としては1オーダー低くなります。再度, 検定方法などをご確認ください。

(日水製薬・小高 秀正)


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