05/07/06
07/01/11
■ 手洗いと“蛋白性物質”
【質問】
 はじめまして。○×病院で看護師をしてます。

 手洗いの件ですが, CDCガイドラインを読んでもよくわからない“蛋白性物質”とは何をさすのでしょうか??? 教えて下さい。よろしくお願いします。

医療現場における手指衛生のためのガイドラインの勧告

1. 手洗いと手指消毒のための指針

A. 手に見える汚れや蛋白性物質による汚染がある場合, あるいは血液や他の体液で目に見える汚染がある場合には, 非抗菌性石鹸と流水であるいは抗菌性石鹸と流水のいずれかで手を洗う。カテゴリーI A (P 91 記載)

の項目です。

【回答】
 文字通り, 蛋白を高い濃度で含むもの, あるいは蛋白そのものと考えてください。具体的にはヒトなどの生物に由来するもの (血液や体液, さらに皮膚の垢も含めて), アルブミンなどの製剤などが浮かびます。これら, 高い濃度の蛋白を含むものは, 微生物を容易に付着し (蛋白はとても優れた“糊”です), 微生物の繁殖に必要な栄養素となり, さらに消毒薬の効果を簡単に失わせます。

 ちなみに, CDCガイドラインの原文では, “proteinaceous material”と表現されており, “蛋白性物質”より“蛋白質を含むもの”と訳したほうが分かりやすいと思います[http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/rr5116a1.htm]。なんでも・・性, ・・的と表現する日本人の悪い癖です。

(琉球大学・山根 誠久)
 
【読者からのお礼】
 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致しす。
 JARMAM 17(1)の67頁に手洗いの説明がありましたが,“タンパク質を含むもの”と言う表現が分かりやすいとの記述に賛成です。ある養鶏の雑誌に英語のカタカナ文字が多い記事があったので編集局にクレームを言ったことがあります。分かりやすく表現するというのは, 養鶏の現場でも担当者の方々に指導するのに一番大切なことだと痛感しています。

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