05/03/02
05/03/03
■ XM-G培地での判定について (白から赤に変色するコロニー)
【質問】
 初めて質問させて頂きます。お茶関連の食品会社で検査を担当しております。

 XM-G培地について質問があります。“20±2時間培養後の判定”と容器の説明書きにあるのですが, 22時間培養の段階で白いコロニーのものの中に, そこからさらに培養を続けてみるとコロニーが赤変するものがあります。この場合の判定は“大腸菌群陰性”でよろしいのでしょうか。宜しくお願い致します。

【回答】
 食品加工段階で細菌へのダメ_ジが加わることを考慮しますと, むしろ“大腸菌群を疑うべき”だと考えます。ご質問の, 白から赤に変色するコロニ_は, β-ガラクトシダ_ゼを保有している可能性があり, 酵素の発現が遅い菌かもしれません。一般的には, XM-G培地の組成では大腸菌群の発育は良いので, コロニ_形成と同時に酵素の産生もあり, 酵素基質と反応して典型的なコロニ_を形成します。「食品業界の場合は, 疑わしきは罰する」ということがよくいわれます。XM-G寒天培地を含めたすべての培地は, 菌種あるいは菌群の最終的な確定までは出来ません。疑わしい時は, 釣菌をして, 最終同定することをお願いします。その繰り返しの経験が, 選択鑑別培地を使いこなせる高い技術に結びつくと考えます。

(日水製薬・小高 秀正)
【質問者からのお礼】
 ご多忙な中, 質問への回答, 誠にありがとうございます。今後はXM-G培地での結果だけで判断するのでなく, 確定試験での判定を行い, その積み重ねにより判断の迷いを減少させていきたいと思います。ありがとうございました。

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