■ 薬剤感受性試験に関してふたつの質問 | |
【質問】
今回は教えて頂きたいことがあり, メールいたしました。 ひとつはBacillus cereus (血液培養より検出したものに関してだけ) の薬剤感受性をして欲しいとドクターから頼まれたのですが, NCCLS(今は名称が変わりましたね) に準拠した方法やカテゴリーがないと私は解釈しているのですが・・・どうしたらいいのでしょか??? MICだけ測定したらいいのでしょうか??? また, するのであれば何の薬剤を検査すべきなのでしょうか??? もうひとつは, パニペネムの薬剤感受性を「ミュラー・ヒントン寒天培地」で検査すると, パニペネムが不安定な薬剤のため, “判定が難しい”と聞いたのですが本当ですか??? 」っと尋ねられました。私はそういうことを聞いたことがなかったので, 逆に「そんなことがあるのですか??? 」っと尋ね返してしまいました (笑)。本当にそんなことがあるのでしょうか。 すみません, 勉強不足で・・・。 【回答】
測定培地: Cation-adjusted Mueller-Hinton broth (CAMHB), 接種菌液: 直接菌集落を釣菌し, McFarland #0.5濁度に調整, 培養温度および時間: 35℃, 通常大気で16〜20時間培養して菌発育終末点を判定する。 ただ, 測定されたMIC値をどのように判読するかという点が問題です。B. anthracisの定性判定カテゴリーはPCG, TC, DOXY, CPFXで設定されていますが, B. anthracis以外のBacillus 属には適応できません。検査室としてはMIC値をそのまま報告するのみです。また試験薬剤ですが, 通常B. cereusはβ-lactamase を生産し, PCG, ABPC, セファロスポリン系薬剤に対して耐性を示します。しかし多くの菌株はCLDM, EM, CP, VCM, アミノ配糖体系薬剤には感性を示します。 B. cereusには定性判定カテゴリーはありませんが, 血液培養由来の B. cereus の薬剤感受性成績報告ではWeberが報告しています。参考にして下さい。 [参考文献]
(2) パニペネムは不安定な薬剤で, Mueller-Hinton Agarでは判定が困難
(琉球大学・仲宗根 勇)
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