■ 薬剤感受性試験の判断基準 | |
【質問】
病院で検査技師をしています。ご多忙のところ申し訳ありませんが, 2点教えていただきたいことがあります。 (1) 不勉強でお恥ずかしいのですが, 投稿論文などで目にする“Very major error”,“Major error”,“Minor error”という表記について教えてください。細菌検査の薬剤感受性検査で, 従来までの方法 (ディスク拡散法) と自動機器での測定法 (MIC法) との比較検討を試みました。自動機器でのMIC値をSIR表記に変換して検討しました。乖離したデータの扱いについて, Very major error = “従来法が「R」, 自動機器が「S」= 偽感受性”Major error = “従来法が「S」, 自動機器が「R」= 偽耐性”, Minor error = “一方が「I」で, 他法が「SもしくはR」”というように理解してよろしいのでしょうか??? また, それぞれの割合の基準範囲などがあれば教えてください。 (2) CLSIの判定基準がない (例えばHaemophilus属のLVFXは感受性のみ記載あり, ≦2μg/ml)場合, それに該当しない場合はどのような判断が正しいのでしょうか? 基本的な質問で申し訳ありませんが、よろしくご教授お願いいたします。 【回答】
(2) Haemophilus属のLVFXのように, “感性”のみ定義されている場合は, その菌種・菌群とその薬剤との組み合わせで, 解析に充分な数の耐性株をそろえられないことが理由です。もし, 感性の定義に合致しない“nonsusceptible”菌株に出会った時には, 菌種同定に間違いないか, 得られた薬剤感受性試験の結果には再現性があるのか, まず確認することです。しかる後, 信用できる検査施設に送付して確認してもらうことです (新たな耐性機序の発見につながるかもしれません)。このことは, CLSI/NCCLS M100-S15の120頁, コメント (General Comments) の(4) に書いてある筈ですが・・・CLSI/NCCLSの勧告文書は, 数値のみでなく, 隅から隅までよく読んでください。 (琉球大学・山根 誠久)
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