10/03/15
■油の中の生菌数測定
【質問】
 いつも拝見させていただいております

 油 (食用油や工業用の油) の生菌数測定を依頼されました。培地に植えても分離してしまい困っています。界面活性剤や乳化剤を添加して測定するのでしょうか??? 測定方法, 培地組成などがありましたら教えていただきたいのです。よろしくお願いいたします。

【回答】
 日本化粧品工業連合会の試験法を参考にして回答します。油液状物や疎水性固形物等水に不溶の製品の試料調製は, 高圧蒸気滅菌した界面活性剤, 液状油等を適宜加えて混合し, 乳化あるいは均一化しやすくした上で上記希釈液を加えよく混合して試験試料とする。例えば, 試料と界面活性剤を1 : 1に混合後, 希釈液を加えてさらに混合する。界面活性剤としては, ポリソルベート80, ポリソルベート20, ソルビタンモノオレート等を試料の特性に合わせて選択し, 適宜組み合わせて用いる。液状油としては, ミリスチン酸イソプロピル, 流動パラフィン等を試料の特性に合わせて選択し用いる。なお, 使用する界面活性剤は微生物の生育に対して影響のないもの, および影響のない濃度にて使用する。上記操作にて溶解しにくい場合には, さらにガラスビーズの添加による撹拌, 加温(45℃以下, 30分以内) 等により溶解させる。滅菌したビニール袋に試料を無菌的に取り, ストマッカーを用いたり, 手で直接混ぜる等の物理的な方法も有効である。使用培地の選定は, 希釈液として薬剤中和効果を持つLP希釈液 (ポリペプトン1.0 g, レシチン0.7 g, ポリソルベート80 20.0 g, 水1000 mL, 全成分を混和し, 121℃で15分間高圧蒸気滅菌する。滅菌後のpH7.0_7.4) とレシチンおよびポリソルベート80加ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト寒天培地 (SCDLPA) が適当と考えます。

(日水製薬・小高 秀正)

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