■ (高)圧力下での微生物の死滅について | |
【質問】
お世話になります。●●株式会社品質管理チームに所属しております■■と申します。以前にも質問させていただき, 貴重なご意見いただけました。今回はまた別件にて疑問, 質問点が挙がりましたのでお話を伺えればと思います。 オートクレーブなど, 高圧下の高温水蒸気でほぼすべての微生物は死滅します。ですが, 単に圧力を掛ける方法では微生物 (一般細菌, 局方記載無菌試験などの標準菌株として) の挙動はどうでしょうか??? と言いますのは, 今クリーンエリアへ供給される空気の微生物検査を実施しています。この空気はコンプレッサーにて一旦圧縮されてからその圧力を利用して専用配管にて全体に供給されます (検査は, 圧縮後の空気を取り出して実施しています)。加圧圧力がどの程度であるかはすみません, 調査中ですが, もし加圧で微生物の死滅などをコントロール出来るようであれば, クリーンエリアの管理手法にも幅が広がる可能性があると考えられ, 非常に興味深いです。関連した情報や見識, あればコメント頂けませんでしょうか。是非よろしくお願いいたします。 【回答】
高圧下での細菌微生物については, 死滅への興味より, むしろ生存の可否についての興味が強いと思います。深海に存在する細菌の特性, 地中深くに存在する細菌の特性などです。分裂増殖しているのか, エネルギー代謝は起こっているのか, 休眠状態 (dormant) にあるのかなど・・・質問への直接的な回答になっているかは判断できませんが, まず, 下記の文献を参照してください。ダイアモンド鉄床で人工的につくられた16,000気圧の状態に30時間曝しても, 大腸菌の1%は生存していたという報告です。 〔参考文献〕
(琉球大学・山根 誠久) 【質問者からのお礼】
高圧力下で, 一般細菌に分類されるような大腸菌も一部は生残することがあるということのようですね。調べたところ, 圧縮の加圧値は0.6 Mpa程度でした。とても高圧力下には及ばない数値であり, それによる死滅は勿論, 損傷も望めない感じがしました。参考になります。ありがとうございました。また質問あれば投稿させて頂きます。 |