08/02/18
■ 培地の加温溶解と滅菌
【質問】
 培地によって加温溶解のみで使用できるものと滅菌が必要なものがあるのは何故ですか???

 また, 加温溶解は通常100℃で15分〜30分程度と言われますが, 沈殿物がなくなり綺麗に溶けていればいいと考えるのは間違いでしょうか??? なお, 現在は121℃で3分程の溶解条件 (短時間のオートクレーブ) で使用しております。ご回答の程よろしくお願いいたします。

【回答】
 培地によって加温溶解のみで使用できるものと, 滅菌が必要なものがあるのは培地組成に起因しています。加温溶解のみで使用できる培地には, 一般に特定の菌群以外の菌の発育を抑制する選択剤が含まれており, 過熱によりこれらの発育抑制力が強まるからであると言われています。再溶解して使用することは, “過熱”の要因になるので注意が必要です (参考文献参照)。

 加温溶解時間については, 一般に15分から30分間ですが, 溶解容量によって変動します。基本的には時々攪拌しながら, 沈殿物がなくなり, 寒天が溶解していることを確認するということが基本になります。121℃で3分程度の短時間, オートクレーブで溶解していると言うことですが, 100℃で15分程度と同等か否かは回答者に経験がないので判断できません。質問者の自己責任で実施しているということを認識下さい。

〔参考文献〕
新細菌培地学講座 下 (坂崎利一著, 近代出版)

(日水製薬・三品 正俊)


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