07/07/18
■ 培地と試料の混合比
【質問】
 ●●の■■と申します。惣菜メーカーで細菌検査業務を担当しています。表題についてお聞きしたいことがございます。

「食品衛生検査指針」では, サルモネラ検査に限らず基本的に培地と検体の割合は9 : 1 (培地225 mlに対して検体25 g) となっていることが多いと思います。しかし, 私の検査室では毎日の検査数が非常に多いため, 毎回培地を225 ml確保することが難しく, 培地 : 検体=4 : 1(培地100 mlに対して検体25 g)で一部検査を実施しています。サルモネラ検査では, 前増菌のEEMブイヨンでそのような割合で検査をしているのですが, やはり, この割合では問題はあるのでしょうか??? 問題があるとしたら, それはどのような理由からでしょうか??? ご教授いただければと思います。

【回答】
 自主検査として検査しているのであれば, 特に問題はないと考えられます。ただし, サルモネラ陰性の結果の信頼性が確保出来るか否かが問題です。仮に, 質問者の方法でサルモネラ陰性という結果がでて, 公定法 (例えば, 食品衛生法施行規則及び食品、添加物等の規格基準の一部改正について. 改正 平成5年11月29日衛食第156号) で試験してサルモネラ陽性となった場合, 公定法の方が信用されます。例えば, 質問者が記載されている培地 : 検体=4 : 1は何か根拠があるのでしょうか。この根拠を確認するためには, ルーチンワークの中で長い時間をかけて質問者の方法と公定法を併行してサルモネラ検査を行うか, AOACのような公的機関のプロトコールに従って質問者の方法を評価し, AOACから認証を受けるなど, 非常に大変な労力と時間を要します。ですから, 検査方法は法律 (食品衛生六法) や公的機関 (AOAC法, ISO法など) が示した方法(一字一句従うことが基本で, 自分勝手に変更してはいけない) を使用するのが安全です。質問者がマネージメントする立場の方ならば, サルモネラ用の培地を確保するために, ルーチンワークに支障をきたさないように, 年度予算申請時に年間使用量を計算することや培養スペースや人材なども考慮して会社に上申してください。

(日水製薬・小高 秀正)


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