09/08/20
■ 梅毒の血液感染対策について
【質問】
 こんにちは。いつも大変参考にさせて頂いております。専門外科病院の手術室に勤務し, 感染対策委員として携わっている者です。梅毒に対する感染対策について伺います。

 スクリーニングで, STS陽性・TPHA陽性の場合や, STS陽性・TPHA陰性の場合, その患者の血液を肝炎ウイルスのように感染症として取り扱わなければならないのでしょうか??? (通常, 標準予防策としての扱いとされていますが, 当院での標準予防策がしっかり根付いていない現状があります)。梅毒の血液による汚染事故例は確認されてはいないとのことですが, 血液からの感染は起こりうるのでしょうか??? それとも, 感染は起こりうるが, その後の抗生剤投与等で治癒できるため, 特別な感染扱いは必要ないと考えていいのでしょうか???

 なにか根拠となるような文献等もあれば, お教え下さい。よろしくお願い致します。

【回答】
 梅毒への感染対策については, 標準予防対策で良いと考えます。質問者の施設の状況がよく分かりませんが, 肝炎患者に対して特別な感染対策を実施されているのでしょうか。肝炎患者に対して特別な対策を取っている部署として, 透析室のゾーニングなどが挙げられますが, 手術室は個室で対応されていると思います。標準予防対策の基本は,「すべての患者の汗を除く, 血液, 体液, 粘膜, 損傷した皮膚を感染の可能性のある対象」として対応します。そのため, これら飛散および接触の可能性がある場合は, 防護具の着用が必要となります。

 回答者の施設の現状は, 肝炎および梅毒の患者に対しても標準予防対策を実施しています。その患者の血液および体液が床などにこぼれた場合は, 次亜塩素酸ナトリウムで対応しています。

(愛媛大学・中野 夏代)


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