08/01/30
■「微生物限度試験」について
【質問】

 初めて質問させて頂きます。●●と申します。食品添加物, 医薬品 (原薬) の規格試験を管理しております。「微生物限度試験」でご教示御願いしたい件があります。

(1) 日本薬局方微生物限度試験の“製品存在下での適合性”について確認する際:
 ・n数はどの程度必要でしょうか???
 ・通常どの程度実施されてるのでしょうか???
 ・n数が複数である場合, 日を変えて確認する必要はあるのでしょうか???

(2) 食品添加物公定書の微生物限度試験で評価している製品がありますが, 
 ・食品添加物の微生物限度試験評価は1. 生菌数試験と2. 大腸菌試験は必須でしょうか???
 ・日本薬局方参考情報の“非無菌医薬品の微生物学的品質特性”の様なガイドライン的な情報はあるのでしょうか???

(3) 日本薬局方15改正の追補で, 大腸菌の培地がSCDに変わりましたが, 食品添加物公定書についても同様な動きはあるのでしょうか???もしご存知であれば教えて下さい。

(4) 海外 (米国, 欧州) で, 食品公定書レベルの微生物限度試験が収載されている公定書があれば教えて下さい。

 沢山質問して申し訳ありません。ネット検索していてHPを発見し, 喜びのあまりメールを出させて頂きました。ご回答を頂ければ幸いです。何卒宜しくお願いします。

【回答】
 (1)の質問については, 第十五改正日本薬局方 条文と注釈 (2006) から抜粋して記載します。「試験の実施頻度: 試験の実施頻度は、別に規定されている場合を除き、種々の要因を考慮して設定しなければならない。これらの要因には次のものがある。A) 非無菌医薬品の剤形 (用法)、b) 製造方法、c) 製造頻度、d) 医薬品原料の特性 (天然物より製したもの、化学合成で製したもの)、e) ロットサイズ、f) バイオバーデン値のばらつき、g) バイオバーデンに影響を及ぼす変更事項 (製造工程の変更、医薬品原料の入手先の変更、医薬品原料ロットの変更等)、h) その他: 医薬品の製造初期段階において、医薬品原料や当該医薬品の微生物学的品質特性を把握するために、一般に高頻度に微生物限度試験を行う必要がある。しかし、回顧的又は同時的バリデーションなどのデータを蓄積することによって、例えば、季節ごと、一定期間ごと、数ロットごと等、試験頻度を少なくすることができる」。

 (2)の質問については, 食品衛生小六法の法令1 食品衛生 添加物の規格基準 (B一般試験法) 微生物限度試験を参考に回答します。1. 生菌数試験と2. 大腸菌試験は必須です。ガイドライン的情報ではありませんが, 質問者に参考になると考えられる内容が上記の部分に記載されています。

 (3)の質問については回答者も解りません。厚生労働省の“官報”を丁寧に追跡, 情報収集してください。

 (4)の質問についても解りません。“微生物限度試験”という言葉は, 日本薬局方でしか見たことがありません。米国USPには“Microbial limit tests”の表記を見ることができます。

 以上, 明確な回答はできませんでしたが, 参考になれば幸いです。

(日水製薬・小高 秀正)
【質問者からのお礼】
 ご回答頂きありがとうございます。

(1) について, アドバイスを基に検討します。
(2) について, 早速、食品衛生小六法を確認します。
(3)と(4)について, 色々情報を収集します。

非常に参考になりました。アドバイスを頂き, 感謝申し上げます。


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