08/10/07
■ カンピロバクター培地, プレストン培地の色
【質問】
 品会社の品質管理で検査業務をしております。今回, 牛レバーのカンピロバクターについて検査することになり, 増菌法で以下の通りプレストン培地を調整しました。OXOIDニュートリエントブイヨンNo. 2をオートクレーヴで滅菌後, ウマ溶血液とカンピロバクター発育サプリメントを2種類入れました。メーカーの調整方法を見て調整したのですが, 同じように調整した同僚から, “出来上がりの培地の色が違う”と指摘を受けました。私が調整した場合, ウマ溶血液の色が強く, 濃い赤色 (ウマ溶血液に近い色) となりましたが, 実際は (本当は) 鮮明な赤色だとのこと。プレストン培地は何色が正解なのでしょうか???

 また, 溶血液以外の血液 (脱繊維血液) 等を使用する場合でも違いはあるのでしょうか??? 教えてください。よろしくお願いいたします。

【回答】
 回答者は溶血液を用いてプレストン培地を作った経験はありませんが, ここでは馬脱繊維血を添加して培地を調整する例で説明します。

 正しく出来上がった血液寒天培地の色は“チェリー・レッド”です (下図参考)。このような培地の作製のためにはまず, 血液寒天培地の調整に使用する血液はできるだけ新鮮なものを使用することが重要なポイントです。次に, 培地調整の注意点として, オートクレーブで滅菌したベース培地は45℃前後まで冷却し, また冷蔵保存の血液は培地に添加する前に室温に戻し, できれば35_37℃に温めてから45℃前後に冷却したベース培地に加えます。なお, 培地調整用の容器は大きめのものを使った方がよいと思います。血液を加えた後, 十分撹拌することも重要となります。これにより十分酸素処理された血液寒天培地の色はきれいな赤色となります。

(テクノスルガ・ラボ 立里 臨)

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