07/10/19
■「クラッピング」とは???
【質問】
 はじめまして。■■と申します。細胞を用いた製品の製造販売会社にて, 微生物管理責任者の立場で業務に携わっております。医薬品に近い製造レベルで細胞由来製品を製造しておりますことから, 製品の包装などに使う包材に至るまで無菌性を担保するため, バイオバーデンの測定および滅菌バリデーションに至るまで, 委託先と連携して実施しています。前置きが長くなり失礼致しました。お教え頂きたいことは以下の点です。

 バイオバーデンを実施するにあたり, 対象物への菌の摂取方法の注意事項が委託先より示されました。

「・製品に(一定量)の菌を接種するときには, 微生物接種が皮膜形成、懸濁液の吸着、“クラッピング”及び接触菌数の変動といった限界のあることを考慮すること」と注意が与えられました。

 このなかで「クラッピング」というのは, どのような状態を示しているのか・・・接種時の菌の飛沫に注意することと解釈しつつおりますが, 想像の範囲で確信が持てないでおります。

ご専門の先生にお尋ねするにも恐縮な質問でございますが, お教え頂けましたら大変ありがたく存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。

【回答】
 「クラッピング」ではなく,「クランピング」ではないですか。細菌の最小単位は1細胞です。細菌を物体に塗抹や接種するとき, 1細胞ずつばらばらになってくれれば理想的ですが, 細菌同士がつながって“塊”になることがしばしばあります。この様なとき, clump(塊になる)しているためclumping(クランピング)という単語が使われます。

(日水製薬・小高 秀正)


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