08/05/26, 5/27
■ 大腸菌検査での“完全試験”
【質問】
 はじめまして。●●県にて製塩業を行っております◆◆の○○と申します。 塩以外に, 観光施設にて食品類の製造販売を行っておりまして, 大腸菌の検査についてご質問させていただきたいと思い, メールしました。

 大腸菌の推定試験の後に, 確定検査としてEMB培地にて確定検査を行い, 完全試験を行うという流れを勉強したのですが, 確定検査にて「陽性」と判断された場合は, “完全試験”まで行う必要はないのでしょうか。

また, “完全試験”を行う理由などもお教えいただきたく, どうぞよろしくお願い申し上げます。

【回答】
 質問者は, 「大腸菌検査」と「大腸菌群検査」を混同しています。大腸菌群検査について回答します。

 推定試験, 確定試験, 完全試験と分かれている理由は, 検査精度を上げると共に, 早い段階で食品中に含まれる“大腸菌群の有無”を推測するためと考えられます。食品の製造をされているということから, 大腸菌群確定「陽性」の場合には食品を出荷できなくなることが考えられます。しかし, 確定試験が正しくなく, 完全試験で“大腸菌群ではない”と判断できた場合には出荷できます。回答者の考えは, 確定試験陽性・陰性の有無に拘らず, 確認のために完全試験を実施します。経済的損失を考えた場合, 完全試験にかかる3日間のロスのほうが損失は少ないのではないでしょうか。

 また, 完全試験を行う理由は, 上述の如く, “確定試験の結果が100%正しいとは言い切れない”ためです。そのために, 確定試験「陰性」(定型的集落がない) の時でも, 完全試験まで行うように「食品衛生法」には記載されています。

(日水製薬・小高 秀正)


【質問者からのお礼】
 こんにちは。質問いたしました件, 早速のご回答ありがとうございました。大腸菌群の検査につきまして, 確定検査のみで判断せず, 完全試験まで必ず行った方がよいことを知りまして大変勉強になりました。完全試験まで訓練いたしまして, 業務に活かしていきたいと考えております。大変勉強になりました。どうもありがとうございました。


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