■ 大腸菌群の試験が乖離 | |
【質問】
こんにちは。私は食品会社で分析を行っています●●と申します。いつも大変参考にさせていただいております。「大腸菌群の試験」についてお聞きしたいことがあります。 (1) DESOにて大腸菌群「陽性」, EMB寒天培地でも黒いコロニー検出, XM-G培地では赤色と青色, 両者のコロニーがあり, 「陽性」・・・という検体にて, 完全試験である乳糖ブイヨン培地にて試験を行ったところ, 培地の色調の変化なし, ガスの発生なしの「完全陰性」でした。XM-G培地にて完全にきれいなコロニーが出たのにも拘わらず, 「陰性」ということはあるのでしょうか??? それとも完全試験を初めて実施したため, うまく試験できていないのでしょうか??? なお検体は小麦粉です。 (2) 以前, 乾麺の大腸菌群試験をしたところ, DESO, EMB, XM-G培地で「陽性」反応でした。しかし, 1ヶ月以上経った後, 再び同様の試験をしてみると, XM-G培地には「陽性」反応が出ているにも拘わらず, DESOにはコロニーが検出されませんでした。これはどう判断したらよいのでしょうか??? お教えいただけますよう, お願い致します。 【回答】
(2)の質問は, 大腸菌群陽性だった検体を1ヶ月後 (保存状態が不明), 再び検査したら, XM-G寒天培地で大腸菌群を認め, DESOでは大腸菌群を認めなかったと理解しました。この原因として, 検体中に存在している大腸菌群がいろいろな原因で弱り始めていて, いわゆる“損傷状態”にあったと考えられます。XM-G寒天培地 (ラウリル硫酸ナトリウムを使用) とDESO (胆汁酸塩を使用) は選択剤が異なるため, その影響で菌発育に差が出てきたものと考えられます。 (日水製薬・小高 秀正)
(1)の検体とは, EMB培地に繁殖した菌を直接乳糖ブイヨン培地に接種しました。回答にありますように, 標準寒天培地等での純培養は行っておりません。純培養を行って試験してみたいと思います。 (2)の件につきましては, 損傷菌の可能性があるとのこと, よく理解できました。弊社では通常DESOで大腸菌群の試験を行っているため, DESOにて陰性になった場合は大腸菌群陰性としてしまっています。損傷菌の有無を考えた場合, DESOだけでの判断ではいけないのでしょうか??? お忙しいところ申し訳ありませんが、お教えいただけますでしょうか。 【追加回答】
(日水製薬・小高 秀正)
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