08/03/14
■ 大腸菌群試験の結果記載方法
【質問】
 食品会社の品質管理部門に勤めているものです。勤務して2年目になります。

質問があります。

・大腸菌群のBGLB培地を用いた推定試験で「陰性」と言う結果が出た時の試験成績書などへの結果記載の方法として適切な記載はどのような記載方法なのでしょうか???

 今までは,「大腸菌群 陰性 検査方法 BGLB法」と言う記載をしてきたのですが, 取引先から「陰性/△ gram」と言う記載に出来ないものかと言う質問が来ました。私どもでは, 10倍希釈のサンプルを5本の試験管に1 mlずつ接種しています。ご回答宜しくお願いします。

【回答】
 質問者の方法はどの方法に基づいた試験方法でしょうか。5本のBGLB培地を使っていることから, 「MPN5本法」に近いと思いますが, 試験結果をMPN法に準じて記載するには不十分です。“推定試験”という言葉を用いていますが, 「食品衛生法」の「C 食品一般の保存基準」に記載されている推定試験はBTB加乳糖ブイヨンを用いて, 原液の10 ml, 1 ml, 10倍液, 100倍液, 1000倍液の各1 mlを接種して, 35℃で24時間培養した後に“ガス発生”を見ない時には「推定試験陰性とする」と記載されています。以上のことから, 質問者の方法は試験サンプル量が非常に少ないため「陰性」という結果を記載するのは危険に思います。強いて記載するのなら,「陰性/0.5 gram」となりますが, 大腸菌群が1 gram中1個存在していた場合, 質問者の方法ですと「陰性」になる可能性があります。そのため, この様な時には検出限界を考慮して“<2 CFU/gram”と記載する方がよいと思います。社内の試験方法について再度検討することを勧めます。

(日水製薬・小高 秀正)


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