07/07/24
■ 大腸菌群の試験について
【質問】
 食品工場で菌検査を行っている初心者です。「食品衛生検査指針」に準じて試験を行っていますが:

(1) 標準寒天培地で一般生菌数 0個/gで大腸菌群「陽性」(BGLB法 完全試験) になることはあるのしょうか???

(2) また, 確定試験でピンクの集落で「陰性」と判断するのが当然ですが, さらに完全試験に進むと, LB培地でガス発生, 鏡検でグラム陰性悍菌になるのはどのような菌なのですか???

(3) それと, BGLB法では大腸菌群「陽性」でも, DESO法では「陰性」になることがあります。DESOでは大腸菌群が出にくいという考え方でよろしいですか???

【回答】
 寒天培地による混釈培養法では培地の温度が大事です。初心者ということなので, 寒天が固まる温度の感覚がつかめ切れていないと判断できます。BGLB法は推定試験で用いますが, この液体培地は予め作製して置いたものを使用している筈です。以上のことより, (1) はBGLB培地で陽性になる可能性があります。(2) はEMB培地についての質問と理解します。質問者は“ピンクの集落で「陰性」と判断するのが当然”と書かれていますが, この考えは間違いです。EMB培地でピンクの集落を形成する大腸菌群は多く存在します。(3) は, (1)の回答と同じです。最後に、“DESOでは大腸菌群が出にくいという考え方でよろしいですか”という質問にはあえて回答しません。質問者は, 物事を型にはめて考える癖があるように感じます。既成概念は捨てて, 事象の観察を丁寧にし, いろいろな検体を数多く検査して, 質問者自身がこの回答を考えてください。

(日水製薬・小高 秀正)


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