07/04/23
■ 大腸菌群と大腸菌の検査について
【質問】
 私は食品の検査の会社で食品の微生物検査 (自主検査) をしている者です。大腸菌群と大腸菌の検査について教えていただきたいと思います。

 現在, 大腸菌群数には, デスオキシコーレイト寒天培地 (栄研化学) を, 大腸菌には発色酵素基質培地 ラウリル硫酸X-GAL・MUG培地 Pro・media XMT-30使用しています。この間, デスオキシコーレイト寒天培地上にはコロニーが見られないのに, XMT-30では蛍光発色が見られたのですが(色の変化は緑〜青で, 大腸菌群陽性, 蛍光発色で大腸菌陽性の培地です)。このようなことは, 培地の機構の違いのために起こるのでしょうか??? 疑陽性も考えたのですが, 検体が拭き取りのため, 可能性としては薄いと思うのですが??? お忙しいところ申し訳ございませんが, お考えをお聞かせ願いたいと思います。よろしくお願い致します。

【回答】
 培地が違えば, 結果が異なる場合があります。原因は, ご指摘のように培地の機構や選択性または接種菌量などが考えられます。“疑陽性”を疑われているようでが, 確認の仕方の1例としては・・・まず新しいデスオキシコーレイト寒天 (デソ)と新しいPro・mediaを準備します。発色したPro・mediaを10倍段階希釈で6段階 (10^6) まで希釈します。各段階の試料をデソとPro・mediaにそれぞれ接種して培養し, コロニーを観察します。5〜6段階希釈の菌量の少ない培地で発色が観察されれば, 菌による発色と考えられます。

(栄研化学・柳沼 健史)


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