07/11/26
07/11/28
■ デゾキシコレート寒天培地での“菌発育なし”の表現
【質問】
 食品会社の品質管理を担当している■■と申します。日頃は御研究会の質問箱を大変参考にさせていただいております。ありがとうございます。早速ですが,「大腸菌群検査結果の判定」について質問させていただきます。

 大腸菌群の検査では, デゾキシコレート寒天培地で平板培養を行って定性・定量試験を行っているのですが, その結果の記載についてどう書けばよいのか迷っています。現在は検査後, コロニーが確認された場合はそのコロニー数を記載しています。一方, コロニーが確認されない場合は「陰性」と記載しています。しかし, デゾキシコレート培地の場合, ダームラ管でのガス発生による判定と違い, 菌数が1個から検出されるわけではないので, 厳密には“完全な陰性ではない”という気がするのです。よって, 「陰性」と記載するのではなく, 「300/g以下」や「検出せず」や「推定試験陰性」のいずれかが正しいのかな??? と思っております。

 初歩的な内容の質問かもしれませんが, 以上についてご指導いただけたら幸いです。宜しくお願いいたします。

【回答】
 社内データとして記録するための表現は, 社内の関連部署で統一すれば良いと思います。試験結果の記載方法はいろいろありますが, 質問者も書かれているように, 増菌培養後の結果ではないので, 質問者の行っている方法での検出限界の菌数以下 (例300/g以下) の表記が適切だと思います。さらに, 食品衛生法で用いられている表記の「推定試験陰性」を付け加えてもよいと思います。社内での統一した認識を得るために, 詳細な試験方法 (何々の方法で行っただけではなく, 何々の方法の詳細を記載する) や結果記載方法 (結果の解釈方法など) などをマニュアルとして整備することをお勧めします。

(日水製薬・小高 秀正)


【質問者からのお礼】
 ありがとうございました。大変参考になりました。今後, 既存の検査方法や結果の記載方法など見直して, マニュアル化していこうと思います。また, 今後もお世話になることがあると思いますが, よろしくお願いいたします。


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