■ デソキシコーレイト寒天培地のコロニー | |
【質問】
いつも参考にさせていただいております。魚肉練り製品工場で品質管理業務を担当しております●●という者です。大腸菌群の検査についてお聞きしたいことがございます。 デソキシコーレイト寒天培地を用いて製品の大腸菌群の検査を行ったところ, 添付しました写真のようなコロニーが出現しました。検査では10倍希釈の試料を55℃で保温したデソ培地で混釈し, 培地が固まった後に重層し, 35℃で24時間培養しました。通常出現する培地内部に発育する大腸菌群のコロニーとは違い, 重層した培地表面に出現しており, コロニーの形状も異なるため「大腸菌群」としてカウントしてよいものかどうか判断に詰まっております。 お忙しいところとは存じますが, ご教授いただけますと幸いです。宜しくお願い致します。 まず, 魚肉ねり製品の成分規格として「大腸菌群陰性でなければならない」と「食品衛生法」に記載されていますので, 質問者の製品から大腸菌群が検出されたら出荷できません。そのため, 今回のような事例ではしっかり大腸菌群であるか否かの判定をする必要があります。写真を見た限りでは, 大腸菌群 (典型的には暗赤色) に近いと考えられます。大腸菌群は,「グラム陰性の無芽胞性の桿菌であって, 乳糖を分解して酸とガスを生ずるすべての好気性または通性嫌気性の菌をいう」ということになっています。質問者は, 写真のコロニーを釣菌し, EMB寒天培地と乳糖ブイヨンへの接種して, これらの性状の有無を確認する必要があります。同時にグラム染色も行ってください。 (日水製薬・小高 秀正)
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