08/04/07
■デソキシコレート寒天培地と“カビ”
【質問】
 私は食品会社で品質管理を担当している■■と申します。いつも参考にさせていただいております。デソキシコレート寒天培地について教えていただきたいことがあります。

 弊社では大腸菌群の試験にデソキシコレート寒天培地を使用しております。先日ある検体について, ピンク〜赤色のコロニーが認められました。EMB寒天培地を使い, 確認試験に移りましたが, 釣菌する際のコロニーの感じが通常とは異なり, 結晶状の硬い塊状 (小) でした。EMB培地に塗抹できるようなものではなかったのですが, その結晶状のものを取り出し, EMB培地に載せて無理やり塗抹させてみました。その結果, “カビ”が検出されました。デソキシコレート寒天培地にカビが繁殖することはあるのでしょうか??? またあるのだとしたら, どのようなカビが考えられるのでしょうか??? ちなみに同検体のカビ・酵母試験の結果は100〜200個/gとなっております。

 大腸菌群は「陰性」と判断出来たのですが, “カビ”の方が気になり質問させていただきました。どうぞよろしくお願い致します。

【回答】
“デソキシコレート寒天培地にもカビは生育します”。デソキシコレート寒天培地にはカビ (真菌) を抑制する物質は含まれていません。カビの種類はわかりません。カビ・酵母試験で検出した“カビ”だと推測できます。次回, 同じ食品でカビ・酵母試験をした時に分離同定して, 質問者の会社の品質管理に役立ててください。また, 同定できない時には分離して検査センターへ依頼することもできます。

(日水製薬・小高 秀正)

【質問者からのお礼】
 大変参考になりました。ありがとうございました。今後の分析の参考にさせていただきます。また何かありましたらよろしくお願い致します。


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