09/01/26
■ EDTA採血した血液の抗酸菌染色
【質問】
 いつも拝見しております。私は微生物検査を担当しています検査技師です。

 質問ですが, 医師よりEDTA血にてチール・ネルゼン染色をして欲しいとの依頼がありました。今回初めて受けた依頼で, 医師の指示により検査は行いました。教えていただきたいことは, EDTA血にてチール・ネルゼン染色の確立した方法があれば教えていただきたいのと. 検出感度についても教えていただけますか。

【回答】
 EDTA血にてチール・ネルゼン染色の確立した方法というのは特に聞いたり, 読んだりしたことがありません。常法通り, 血液の塗沫標本を作成し, 普通にチール・ネルゼン染色してよいのではと思います。
 

 左の写真はEDTA採血した血液に結核菌を添加してそのまま塗沫標本を作成し, チール・ネルゼン染色したものです。血球成分は極淡く染色され, 結核菌は鮮明に赤く染色されます。

 右の写真は, さらに1日35℃でそのまま放置しておくと, 白血球に貪食された結核菌の集積を観察することができます。

 また, なんの目的で検査するのか, 依頼した医師に確認することが必要です。血液検体の処理方法で検出感度は変化する筈ですから。

(琉球大学・山根 誠久)

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